<ハンドパンとは>

ハンドパンは、2000年頃、かつてスティールパンを製作していたスイスの楽器会社によって開発された新楽器です。インドのガタムやガムランなどからヒントを得て考案されました。

 

形状は、上下のシェルが接着されていて、下部中央にはサウンドホールが空いています。

また、各打面には音盤を安定させるディンプルが付けられています。

素材には窒化した鋼板を使用しており、より静謐な音色が出る様に工夫されています。

表面を覆う色は焼いた際に出来る酸化被膜です。

 

スティールパンよりも残響音が長く、3倍音(5度)のハーモニクスの美しさを強調しているため、

とても耳に心地よい音色が響きます。

2008年頃からヨーロッパでブレイクし、現在では世界中で愛される楽器となっています。

 

<演奏について>

 この楽器は、ドラムなどのいわゆる打楽器ではありません。またビブラフォンなどの旋律打楽器でも

ありません。元々は、Sound Sculpture(音による彫刻)と称され、音色や響き、漂う倍音などに

静かに耳を傾けて楽しむものです。

 

演奏に際しては、出来得る限り優しく触る感覚を心がけてください。

各音盤の中央にあるディンプル(凹み)部分に人差し指や親指が素早く触れる感じで弾くと美しい

音色が生まれます。

 

Ding(センターノート)は、Dome(突起部分)を人差し指の先か、人差し指全体を使って弾いて

ください。

Ding(センターノート)周囲に混在する数え切れないほどの倍音群(俗にShoulder Notes) に

関してだけは、指先で弾(はじ)くように叩いて鳴らしてみてください。

 

近年、街頭などで金銭授受目的で演奏する方がおりますが、音を広く周囲に響かせて人々から

注目を得ようと努力するあまり、どうしても力強く叩いてしまうという傾向がみられます。

過度な力を込めて叩かれることを、この楽器は望んでいませんし、本来の良さを台無しにしてしまいますので

そのような奏法は出来ればお止めください。

 

山や川岸、野原や森などの自然の中に身を置いて、(目を瞑りながら)自分の心の赴くままに

弾いてみてください。

そして、あなたの自由な閃きから生まれ出た、宙を彷徨い漂い続ける音の紋様たちと無心で

戯れてみてください。

​​

しばしの間、時や日常を忘れ、ピュアな解放感に身を浸していただけたらと思います。

<価格について>

ハンドパンの価格は一般的に日本円で¥150,000〜¥400,000くらいです。

価格帯の変動の主な理由は、やはりそのクオリティーによります。

¥400,000のハンドパンでも相応の価値を見出せないものも中にはありますが、

低価格帯のパンは、明らかに質が低いことをメーカー側が認めていることの証明になります。

それでは、ハンドパンの質とはなんでしょう?

これはすべての楽器に言えることですが、楽器の良し悪しを左右する大きな要因の一つに

トーンバランスが挙げられます。Ding(Center Note)から始まり、低音部から高音部までが

均一なトーンで鳴ることが大事です。

よく響かずに強く叩かないと鳴りにくい音盤があったり、逆に軽く叩いてもキンキンと鳴ってしまう

耳障りな高音部があるパンはバランスが悪いという証左です。

 

また、音盤表面や裏面にハンマー痕が著しく残っているものなどもクオリティー低さを物語っています。前者の理由として、パンは、一枚の鉄板から作られる体鳴楽器ですので、音盤表面に凸凹が少なく楽器全体が滑らかに仕上がっていることが音響の観点からも絶対要件です。

 

Sonobe(Handpan)Teamでは、これらの点に留意した質の高い楽器作りを目指し、様々なJig(器具)を開発したり、多くの時間を製作に関するディスカッションに割きながら、より良いハンドパンを目指して日々妥協することなく真剣に作業に取り組んでいます。

時には、製作途中で中断し、一から作り直したりもします。(素材自体の問題が発生することもあります)

我々は、2019年度も一作一作に情熱と想いをいっぱい注ぎ込んだ21世紀の解放系瞑想楽器、

Sonobe 5G.を日々進化させながら情熱と共に作り続けます。

Sonobe 5G.Tuner/園部 良

2nd Generation 2015
2nd Generation 2015

     2nd Generation 2015

3rd Generation 2016
3rd Generation 2016
4th Generation 2018
4th Generation Extended 2018

4th Generation Extended 2018

4th Generation Extended 2018

4th Generation Extended 2018

 

 

                        Handpan Maker/Tuner:  園部 良 

スティールパンからハンドパンへの道(雑誌"GRAPHICATION"より) 

 

 

<端緒>

10代の終わり頃、ふとした出会いがきっかけで、当時はとても珍しかったスティールパン

(以下パン)の輸入レコードを聴く機会がありました。

その音の束の漲る迫力と心に響くプレイヤー達の生命力、そして曲のセンスの良さに背筋が妙に

ゾクゾクし、最後まで聴いていられないほどドキドキしました。

パン演奏には全く興味が湧きませんでしたが、その独特な楽器形状と摩訶不思議な音の

魅力に心を奪われ、パン製作に対しては、かなりワクワク感を抱いたことを覚えています。

〜パンオーケストラのライブ収録レコードだったんだけど、これが凄かったんだな

 

<渡航>

時は80年代後半、バブル経済全盛期。

その当時の私は、世間的には大学に籍を置く学生でしたが、世の中全体のみならず家庭までにも

蔓延していた、空々しくて軽々しい一種の毒気から我が身を守るため、独り部屋に閉じこもっては、

現代文学やらカルト映画やら、あらゆるジャンルの音楽などに耽って

つまらない日常をうっちゃっていました。

 

陰々鬱々としながらも、常に性根が尖っていましたので、やがて周囲から友達もいなくなり、次第に

寂しく孤立してゆきました。何かやりたくても何も見つからず、、、そんな屍の様な毎日を過ごす中、

"この閉塞状況を一瞬でも変えたい"との切実な思いが募りに募り、現地情報などは皆無でしたが、

かねてから憧れていたパン発祥の地、カリブ海は西インド諸島最南端の小島、トリニダード&トバゴ共和国へ思い切って訪れてみることにしました。('90年、'92年と渡航)

 

様々なトラブルに巻き込まれる毎日でしたが、遥々ここまで来たのだから” パン製作を習わなければもったいないな”と思い立ち、パンチューナー(パン製作人)の工房をいろいろ探し当てては弟子入りをお願いして歩きました。

何度も断られはしましたが、とある工房の見習い人にしてもらうことになり、一連の手ほどきを受ける

ことが出来ました。

〜帰国日前日、街中で突如起こった銃撃戦(クーデター)騒ぎに巻き込まれるも、近くのバルバドス島に脱出し、辛くも帰国する

 

帰国後、日本製のドラム缶を使用して何度もパン製作を何度も試みたのですが、どうしても思い描く様な音が出て来ませんでした。大学は既に中退し、世の中も閉塞状況が増す中、人生に対する行き詰まりを痛感し始めました。

次第に気力も失せてしまい、今後の将来の展望が見出せないまま、いわば引きこもりの状態となってゆきました。そんな状態で数ヶ月間思い悩みましたが、突如、この窮地を救う一つのアイディアが浮かびました。

それは、作ることが出来ないならば、現地に築いてきた人脈を頼ってパンの輸入販売業を起業して

みてはどうだろうか、という事でした。

('93年〜 スティールドラム専門店 "PAN RISING")

思い立ったら直ぐ行動。自宅の6畳間を店舗と見立てて、ささやかな個人事業をスタートさせました。

大きな不安と僅かな期待の入り交ざった向こう見ずな船出ではありましたが、

珍しい楽器の輸入専門店ということで、新聞、雑誌、ラジオ、テレビなどのメディアが多々紹介してくれたことで反響を呼び、少しずつ販路を伸ばすことが出来ました。

 

<転機>

'95年春に、とある高校の吹奏楽部から大口の注文を受けたのですが、納品した楽器のほとんどが不良品という事態に。。新品は修理してはいけません、という教育委員会からの厳しい通達があったので、

仕方なく交換品を現地に再注文するのですが、届く商品は、これまたひどい不良品というありさま。。。

そのまま一年が過ぎ、予算も全て使い切ってにっちもさっちも行かなくなった頃、この不良品を直せる

人物を呼んではどうか、という提案が学校側からありました。遅いよ

かなり思い悩みましたが、友人のつてを頼って、当時、米国に居住していたパンチューナー Denzil"Dimes"Fernandezを日本に招聘することになりました。

ほどなく来日した彼は、すべての不良品を完璧にリチューンしてくれて、この問題は無事解決することが

出来ました。

その見事な仕事ぶりに感動した私は、迷わず彼に師事することを決め、パンの作り方を理論と共に

本格的に学ぶこととなりました。

その後、独り修行に勤しんだ後、'99年からは、自作のパン製作販売業務を開始しました。

 

〜'99年 '05年、香港の私立小学校や'02台湾の芸術大学からの招聘を受け、パンのチューニングに

赴く傍ら、猛暑の中、現地のドラム缶を使ってパンを製作する〜 (画像1 画像2

 

〜'00年、突如、茅ヶ崎の私立中学校の非常勤講師となり、足掛け14年間パン製作の授業

(総合授業)を担当する〜 

 

2008年、製作アトリエを千葉県佐倉市〜神奈川県藤沢市〜相模原市〜

現在の東京都大田区東糀谷(工業専域)に移して、ひたすらスティールパンの​製作販売と

修理業を続ける。

〜2011年 大田の工匠100人に選出される〜 関連本 どっこい大田の工匠たち

<2度目の転機>

2012年夏、広島大学総合科学部からの依頼で植物から生まれた音階を実現する楽器

開発グループに加わることになりました。

(以降、コアメンバーとして2019年現在も陰ながら携わっています。メンバーには灰野敬二さんも)

要約すると、自然界に存在する音には、整数倍音ではなくて非整数倍音を発している事物が

多いということ。例えば、西瓜(スイカ)からは、ガムランによく似た倍音が出ている等々。。。

そして、非整数倍音から成る音階は、平均律で整えられる音階とは全く別の、独自の音階を形成する。

それ以降、スティールパン製作業を続ける傍ら、大学機関から研究費を頂きながら、特定周波数の

実験研究や非整数倍音の未知なる世界にどっぷりと浸かることになりました。

この新鮮な経験が大きな第2の転機となり、2014年を区切りにして、これまでのスティールパン

製作業は完全廃業し、自作ハンドパンの製作販売業務に移行することになりました。

1st Gen.(直径47cm) から始まり、2017年から、4th Gen.のハンドパンを製作。

2019年からは、Hydro Formed Shellを採用し、Sonobe 5Gバージョンを製作している。

製作に際しては、心温まる優しい音色と美しく響き渡る5度倍音、そして妖しげに鳴り続ける残響音を

重視しながら、心を込めて一つ一つ手作りしています。

 

 

sonobe 4th in Switzerland

5G 2019
5G 2019

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